メディアのこれから
インターネットの世界は,小さな商店でもあるいは個人でも,このテーマについてはこのサイトが一番便利,あるいは面白い,というものを作り上げることができる。そこに大きな可能性があると思う。
一方で,既存のメディア(特に出版社)に対しては厳しい目を向けている。既存の取次を通した紙媒体の流通・販売から頭を切り替えられない人がいるのだと。紙媒体のオマケとしてしかインターネット・メディアを受け止めていない。出版の目的がコミュニティ形成だとすれば,それが紙書籍を通じでである必然性はないのではないか,と。特に雑誌媒体はそうせざるをえないのだと。
大きな企業,あるいは歴史のあるメディアは,ブランドの蓄積がある。どうやってコミュニティをつくっていくか,顧客とつながっていくかに関して大きなアドバンテージがある。
フットワークの軽さや意思決定の速さが重要だいう。小さい企業がやりやすい面は大きいと思う。でも,大きな企業でもこまわりのきくチームを作ることはできるのだろうと思う。そこでいろいろな試みがなされ(実際に増えていると思う),新しいメディアの形が生まれていくのはとても面白いと思う。
2009年と2011年に書かれたものなので,少し状況は違っているかもしれない。でも大きくは違っていないようにも見える。
私がやろうとしていることを,言語化してあるように感じられて,そうそう,と共感しながら読んだ。もちろんこれに類したことはいろいろな人が発言しているし,本もたくさん出ている。ただ,古い出版社事情も知りつつ黎明期を切り開いてきた数少ない人物だと思うし,実際にためになった。
出版社にいる人は読んでみたらよいと思う。また,じつはすべての企業がメディア化しているなかでは,あらゆる企業において対外的なコミュニケーションを担当している人,そして経営層は,こういった意識が必要になってくるのではないかと思う。