現物を書店で見かけて,面白そうだなと思った3冊。これを,三題噺っぽく一つの流れに載せて紹介してみたいと思います。お題は,
- 『経済は「予想外のつながり」で動く:「ネットワーク理論」で読みとく予測不可能な世界のしくみ』
- 『仁義なき宅配:ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』
- 『[新版]ブルー・オーシャン戦略:競争のない世界を創造する』
の3つです。
なお,あらかじめ書いておきますが,これらの書籍をぱらぱらとめくりましたが,読んではいません。目次と,中身の数ページを眺めただけです。
一般的に,書評というものは,書籍を読んだ人が,これから読む人に向けて書かれます。当たり前ですね。読んでいないのに,その本のことを批評することなどできません。
しかし,ここに盲点が一つあります。
「読み切った人は,まだ読んでいない人の気持ちがわからなくなっている」!
なんということでしょう。相手の気持ちに立ってこそ,思いが伝わるはずなのに,それがかなわないだなんて。
それを克服するのが,この方法。つまり読んでいないけど,本を紹介することなのです。ここで試みたいのは,本を選んでいるときのドキドキ感を共有していただく,ということです。だって,読む前が一番わくわくしないですか? けっして読んでいない言い訳じゃないですよ。
前置きが長くなりました。ではまいりましょう。
宅配業者はアマゾンと闘っている!?
最初は『仁義なき宅配:ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』。なぜ,この本にひかれたのか。
わたくし,3,4日に一度はアマゾンで何かしら購入している,アマゾン愛好家です。そして,それを届けてくれる方々が,ヤマト,佐川,日本郵便などの宅配業者です。大変お世話になっています。
ところが,「仁義なき宅配」ということで,副題に「ヤマトVS佐川VS日本郵便」は宅配業者ですからVSで「闘っている」のは当然理解できますが,「VSアマゾン」となっています。アマゾンは小売業者であり,宅配をしているわけではありません。
ははん。あの話か。
アマゾンの宅配取り扱い量は膨大です。宅配業者が運んでいる荷物を見ればわかりますが,アマゾンの箱がいくつも。私だけではなく,皆様よく使っているのですね。そんなアマゾンから宅配業務を受注できれば,非常に多くの量を扱うことができる。
一方で,アマゾンは自社が販売するものは基本的に送料は無料です(出店している業者から購入する場合は送料がかかることもある)。当初は送料がかかっていましたが,いまは無料にできるくらい,取扱量が増え,さらに効率化が達成されたのでしょう。
むろん,宅配業者が無料で引き受けるわけがないので,費用が掛かっているわけですが,取扱量が多いために,価格交渉で強気に出られる。これは常識でしょう。
そう,アマゾンの宅配業者への価格交渉の熾烈さは有名です。そしてその費用の低さに耐え切れなくなった宅配業者が取り扱いを中止し,別の宅配業者に変わったこともあるよう,ということを耳にしたことがあります。
その話だな。これは。
ぱらっとめくったところ,潜入ルポをしたらしい。そして,著者紹介を眺めたところ,アマゾンの配送センターに潜入したルポ『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』を書いた人でした。なるほど!まだアマゾンを追っていたのか!これは気になる。
なぜアマゾンは圧倒的なのか
そう。アマゾンは人をひきつけてやまない圧倒的な存在感がある。書籍販売のみならず,小売り全般を扱う「エブリシング・ストア」の雄としての地位を確立しています。