その他,社会現象や自然現象の中には,通常の(身長や体重のような)正規分布ではなく,べき分布(べき乗則)を描くものがたくさん見られるそうです。
というのは,相互に影響を与え合うために,人気があるものは評判になることで注目され,さらに売り上げを伸ばし,さらにそれが評判となり,と影響力が加速度的に伸びていくのです。一方で,それほど差のなかった2番手は,その恩恵を受けられない。そして一気に差がつくのです。
そのあたりは,タレブの名著『ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質』(下巻もある)やグラッドウェルの『急に売れ始めるにはワケがある:ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』などでも言及されています。
お題の3つ目の『経済は「予想外のつながり」で動く:「ネットワーク理論」で読みとく予測不可能な世界のしくみ』はこうした議論をさらに展開したものなのかと思いました(繰り返しますが,読んでいません)。
目次を見ると,他では紹介されていないようなケースがいろいろと紹介されているようです。タバコ,ユーチューバー,失業問題……。それらの2冊を読んで感銘を受けた(この2冊は購入した)身としては,より理解を深めるためにも目を通しておきたいところです。
紹介文を読むと「経済学に物申す」的な感じで書かれていますが,最近は行動経済学の研究もたくさん紹介されていますし,経済学とは何ぞやということには私はあまり関心はないので,そのあたりの「価値」はよくわかりません。ただ,口コミやら,相互に影響を与え合う中で,大きな現象が生まれてくる,ということにはとてもひかれます。
三題噺
ということで,三題噺的未読書評の試みはここまで。私の思いは伝わったでしょうか。
また気が向いたらやるかもしれません。では。
(最後もアマゾンで)