使いにくいインタフェース

『誰のためのデザイン? 増補・改訂版』D. A. ノーマン

言わずと知れた、この領域の泰斗ノーマンによる名著が増補・改訂版として2015年4月に刊行されていました。とくに物理的なモノづくり全般に関するヒントにあふれています。どの程度改訂がなされているか気になるところですが、2章分追加されていて、それ以外の章も手が入っている模様。情動的な側面も入っているようです。ボリュームがあり値段もそこそこしますが、100ページほど増えて、値段は据え置きのようです。

『心理学から考えるヒューマンファクターズ』篠原一光・中村隆宏編

こちらはインターフェースだけではなく、もう少し広い観点から心理学的な要因と工学的な発想とをつなげたテキストです。章立てを挙げておきます。体系的に理解するのはとても良いと思います。

第1章 現代社会とヒューマンファクターズ
第2章 知覚・認知特性とヒューマンファクターズ
第3章 認知とヒューマンエラー
第4章 わかりやすさとは何か
第5章 使いやすさとは何か
第6章 バーチャル空間とコミュニケーション行動
第7章 適性─歴史を踏まえ,統合的にとらえ直す
第8章 高齢者とヒューマンファクターズ─人工物との関係において
第9章 障害者支援とヒューマンファクターズ
第10章 心理生理学的アプローチ
第11章 個人と組織の社会的行動
第12章 リスク・コミュニケーションとヒューマンファクターズ
第13章 現実場面でのアプローチ

「↓ここを押す」とステープラーが貼られたボタンを見ることはよくありますが(よくあってはいけないのですが)、たまに、インフォグラフィックのくせに説明がないとわからないものも見かけます。本末転倒もいいところです。説明なしに、使い方が身体感覚で自然と生まれるようなものがうれしいですね。

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