わかりにくいサイト、ってありますよね。
情報にたどり着けない、操作方法がわかりにくい、入力を間違ったら戻せない、などなど。
一方で、すんなりと作業が進むサイトもある。そういうサイトでは「ひっかかり」が生じないので、「いいサイトだな!」とはわざわざ思わないけれども、結果的にそういうサイトをまた利用することにつながっているのではないかと思う。
レストランでも、仰々しいサービスではなく、存在に気づくことなく、心地よく食事をすることができるようなサービスこそがよいサービスなのではないでしょうか。
インタフェースの、心理学的な側面に関する本をいくつか挙げてみます。
『スマホに満足してますか?- ユーザインタフェースの心理学』増井俊之
2015年の2月に刊行された新書。著者の増井俊之氏は富士通、シャープ、大学の研究員、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、アップルなどを経て、慶應義塾大学環境情報学部教授。
書名にスマホとあるが、スマホ(だけ)の話では特にない。ユーザインタフェースの心理学に関する入門書だ。さまざまなソフトの開発に関わった経験を踏まえつつ、知っておくべき人間の心理的な特徴、開発での発想、ユビキダス、情報整理、安全などについて、独自の視点でまとめていく。著者の関心に沿ってばらばらと紹介されているので、断片的な印象は残ったが、開発者がどういうことを考えながら仕事を進めているのかがわかって興味深かった。
『インタフェースデザインの心理学』Susan Weinschenk
2012年7月発行だが、すぐに増刷していた。サブタイトルが「ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の視点」ということだが、章構成は以下の通りで、それぞれ10程度のトピックが紹介されています。内容は多岐にわたるので、全部消化するのは大変のように思いますが、人間の行動や心理の特徴を考慮に入れたサイトデザインなどを目指す人には役立つのではないかと思います。
1章 人はどう見るのか
2章 人はどう読むのか
3章 人はどう記憶するのか
4章 人はどう考えるのか
5章 人はどう注目するのか
6章 人はどうすればヤル気になるのか
7章 人は社会的な動物である
8章 人はどう感じるのか
9章 間違えない人はいない
10章 人はどう決断するのか