用語や言葉を調べるのに、ちょっとしたことであればネットやwikiも便利ですが、学術的な用語については、やはり書籍化されている、しっかりした著者の書かれたものがまとまっている辞典・事典の方が、よいだろうと感じます。
言葉や概念の定義が曖昧なまま文章を記述していると、やはり説得力が損なわれますし、不適切な(あるいは誤解を生む)コミュニケーションが生じる可能性が高まるように思います。学界としての「定義」を理解しておくことは、やはり大切なことではないかと思います。
ということで、心理学の辞典・事典のうち代表的なものを挙げてみます。
中島義明ほか編『心理学辞典』有斐閣
「心理学の全領域および関連する隣接諸科学の用語・人名を解説した、心理学辞典。事項4021項目、人名347項目を五十音順に配列。各項目における引用・ 参照文献と主著を著者のアルファベット順に配列した文献リスト、索引(和文事項、欧文事項、和文人名、欧文人名)がある」とのこと。
ちなみに、電子版もあります。
藤永保監修『最新 心理学事典』平凡社
ひと昔前までは、とても巨大なオレンジ色の事典として書店で目立っていました。30年ぶりに、全項目を新原稿にした最新版です。見出し項目は488ですが、1つひとつに長い解説がなされています。辞典ではなく、事典ですね。
Colman『心理学辞典(普及版)』丸善
Oxford University Press刊行の辞書の翻訳です。8850の見出し語に、英語または外国語表記、品詞を併記してあるとのこと。
ファンデンボス『APA心理学大辞典』培風館
APA(アメリカ心理学会)が刊行した辞典の翻訳です。約2万項目について、用語の定義とその基本概念、さらには応用までを簡潔に解説しているとのこと。
項目数や解説の仕方、編集体制などに、それぞれ特徴があり、用途にどれがよいかは違ってくるのではないかと思います。
また、こうした心理学全体の辞典・事典のほかに、発達心理学、臨床心理学、社会心理学等々の個別の辞典・事典もありますので、専門が定まっている方はそうしたものもご覧になったほうがいいのかもしれません。