2013年に読んだ面白かった本1

2013年も差し迫ってきたので、今年読んだ面白かった本をいくつか(必ずしも今年出た本ではない)。心理学や行動科学でも興味深い本はいろいろあるけれども、周辺領域の本でいくつか面白いのがあったので、まずはそちらを紹介。

『ブルックスの知能ロボット論』は、MITで人工知能センターの所長をしているブルックス教授が、自身の研究や実践活動を中心に解説している。ブルックス教授が関わっているiRobot社は、お掃除ロボットのルンバを発売している、というとイメージがわくかもしれない。他にも軍事や宇宙でロボットを計画・開発している。ベンチャー企業的な活動記録としても面白いと思った。原著は2002年刊行なので、それ以降にもかなりの展開があるのだと思う。単純な機構の集まりが、複雑な行動を創発する、というところが肝だと思う。

『群れはなぜ同じ方向を目指すのか?』は、動物の群れに関するものである。当たり前だが、ヒトも動物なので、ヒトの集合行動は動物の群れの研究と関連が強い。これも、個々の動物は単純な行動原理に基づいて行動しているだけなのだが、それが集まると複雑な群れの行動が創発される、ということがいえるように思う。

『トレーダーの生理学』では、テストステロンなどの神経伝達物質が、トレーダーの判断や行動にどういう影響を与えているのかといったことや、トレーダーが日常的に受ける多大なストレスをどのように対応しているのか、そしてストレス反応から回復するのか、といったことを探る。行動や判断の背後で(あるいは並行して)は、必ず生理学的な現象が動いている。

『拡張する脳 』は、代替現実感をどのように成立させられるか、をヘッドマウントディスプレイを用いて探る。体感していることが、「現実世界」ではないかもしれない、という現象に遭遇したとき、私たちが何をどう感じるのか。私たちがいまありありとつかんでいるこの現実感は、何を土台にして形成されているのか。

機械の仕組み、動物の行動、生理そして、身体感覚といった視点から心理や行動を考えさせられた本と2013年には出会うことができました。

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