リスク認知の記事に引き続き,中谷内一也編『リスクの社会心理学』に関連して,リスクと社会,リスク・コミュニケーションに関する書籍を紹介します。
リスク社会論についてはベック『危険社会―新しい近代への道』や『世界リスク社会論-テロ、戦争、自然破壊』あたりが基本文献のようです。が,あいにく自分では読めていません。
リスク・コミュニケーションについては,吉川肇子『リスク・コミュニケーション―相互理解とよりよい意思決定をめざして』,そしてやや一般向けに書かれた『リスクとつきあう―危険な時代のコミュニケーション』などがあります。
ほかに,小林傳司『トランス・サイエンスの時代―科学技術と社会をつなぐ』では,社会と科学技術の関係をつくるための新しい取り組みも紹介されています。科学技術社会論と呼ばれる領域と思います。
災害時の人間行動に関しては『生き残る判断 生き残れない行動』に,災害時に特徴的に顕在化する行動様式が紹介されています。また,『災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか』は,パニックを起こすのではないかと施政者が「誤解」する「エリートパニック」と,一方で現場では思いやりのコミュニティが形成されるという「災害ユートピア」といった現象が紹介されています。
リスクと信頼に関しては,中谷内一也『安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学』が一般向けに書かれていて読みやすいのではないかと思います。
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